2014/05/24

レッド・ドーン



アメリカがロシアに後押しされた北朝鮮軍に占領され、ある兄弟が仲間とともにゲリラ戦を開始する
、という物語。
冒頭はテンポが良い。手早く北朝鮮の脅威と主なキャラクターの説明を行い、あっという間に北朝鮮に支配される。アクションもテンポが良く観てる間、退屈はしない。退屈はしない。
だが内容は薄い。登場人物も主人公の兄弟の以外かなりサラッとした描き方。掘り下げない。掘り下げない。
例えば、仲間の占領された市の市長の息子。市長は占領後、北朝鮮側に協力する人間になり、親子で敵同士となる。だがその事に触れられるのはほんの一瞬。主人公の兄弟の兄に「大丈夫か?」と言われるだけ。それでこのエピソードは終了。その上、最後は仲間に見捨てられることになるのだが、そこもサラッとで、登場人物というよりモノのような扱い。
また主人公の兄弟の兄貴はイラク帰りの海兵隊で、戦いを始める前に仲間にこう言う。
「俺達はイラクでは正義の味方だった、今度は暴れてやろ」
今、アメリカも含め世界中のほとんどの人間が、イラクでやってることを単純に”正義の味方”とは思っていないだろう。これを観た観客の多くは「えっ?」と思うはずだ。
普通ならこれは伏線で、この海兵隊の兄貴がゲリラ戦を通して、イラクのゲリラの心情をなんとなくでも理解してという展開でもあるのかと思ったが何もない。
制作者が本当に心のそこから思っているのは問題ない。が、制作者も多くの人がイラクのアメリカの正義に疑問を持っていることは知っているはずだ。このセリフに対して特に深く描く気がないなら”俺達はイラクでは正義の味方だった”という部分はいらない。ただ観客が気になる雑音になるだけだ。
最後に民衆が一斉蜂起&演説でエンディング。アクションと演説で反射神経的にその場では何となく感動はするが、ここまで何も積み上がったものがないので、薄い。というか何もない。退屈しないだけの映画だ。