2014/08/10

観るべき海外ドラマ 「デクスター 警察官は殺人鬼/Dexter 」 


【物語】
 デクスターはマイアミ警察の鑑識課で働いている。専門は”血”、血痕分析だ。もう一つの彼の専門は、悪党を専門に殺す殺人鬼だ。熱い正義の心がそうさせている訳じゃない。デクスターもそいつ等と同様、冷血な悪党、連続殺人鬼だ。ただ殺したいから、いや殺す衝動を抑えられないので殺している。
 悪党を専門に殺しているわけはこうだ。父親のハリーは警察官だった。ある事件で親を失った赤ん坊のデクスターを養子にして育てることにした。
 デクスターはすくすくと育った。そしてある日、デクスターの異常行動に気がついた。小動物を殺したり等など、だ。警官の経験上、デクスターがこの衝動を抑えられなくなり人を殺し始めるのは時間の問題だとわかった。
 だから、ハリーは教えることにした。連続殺人鬼として社会に適合していく方法を。
 殺す相手は人殺しのみ。自分は普通ではない、しかし普通を演じなければならない。そして警察の捜査の方法も教えた警察に捕まらないように殺し続けるためだ。
 ハリーはデクスターが成人する前に病気で死んだが、デクスターの教育は終わらせた。
 成人したデクスターは父ハリーの教えに従い、普通を演じながら、悪党を殺し続けている。
 血の繋がっていない妹で警察官のデボラには良い兄貴の仮面をかぶり、シングルマザーの恋人には良き恋人の仮面をかぶる。そして悪党を見つけるとその仮面を脱ぎ去り、連続殺人鬼の素顔をみせる。悪党だけが彼の素顔を観ることができる。

【おすすめポイント1 感情移入してしまう殺人鬼】
 アメリカのドラマで主なパターンは、刑事モノ、医療モノ、法廷モノの3つだ。視聴者はこの3つに飽き飽きしてるわけだが、このデクスターは刑事物の変化球だ。だが見事な変化球だ。主人公は鑑識官であり、連続殺人鬼だ。デクスターは事件が起きると現場を調べ警察より一足早く犯人を捕まえて殺す、デクスターは裁判ことなど気にしないので証拠集めは楽勝だ、捜査令状も気にしないので、容疑者の自宅に忍び込み引っ掻き回し、証拠を探す。そして確信があれば殺す。
 容疑者から標的になれば、誰も守れない。大金をはたいてスーパー弁護士軍団を雇えても殺される。
 このドラマが優れているところは、デクスターを連続殺人鬼として設定したところだ。必殺仕事人のような悪を憎むようなタイプではなく、視聴者が感情移入しずらい連続殺人鬼に、だ。
 デクスターは所謂、連続殺人鬼なので他人の、普通の人の考えに共感できない。共感しているふりをしているだけだ。だが話が進むにしたがって、デクスターは人間的に成長していく。
 代表的な例は恋人のリタとの関係だ。リタはバツイチの二人の子持ちのシングルマザーで、DVの後遺症で男性恐怖症だ。デクスターは普通を演じるために恋人が必要だが、デクスターはセックスが出来ない、性欲を感じないのだ。だから、男性恐怖症で同じようにセックスが出来ないリタを恋人に選んだ。もちろんリタには、その時を待っているふりをしている。
 エピソードが進みに従い、二人の関係も親密になり、子どもたちにも何かしらの感情が芽生えていく。 デクスターは普通を演じるうちにだんだんと、人間的に成長していくのだ。
 デクスターの普通を演じなければならない悩みというのは、人間関係だ。恋人、家族、同僚、上司、友達、ほとんどの人間は人間関係に悩んだことがあるはずだ。だから気がついたらデクスターに、連続殺人鬼に感情移入しているのだWOW!!こうなったらもうデクスターにハマっている。

【おすすめポイント2 テンポの良い話数】
 デクスターはひとシーズン12話。基本的には一話完結で一話につき悪党を一人殺す形だが、シーズンを通して宿敵となる殺人鬼がいてその戦いも平行して描かれる。アメリカのドラマは24話構成のものが多いがデクスターは約半分だ。だからボトルショーがなくテンポよく話が進む。無駄に引き伸ばすような展開が嫌いな人には特におすすめだ。(例えばプリズンブレイクのような)

【おすすめポイント3 渋い悪役】
 シーズンごとに出てくる宿敵の連続殺人鬼役の役者が渋いチョイス。  ジョン・リスゴー、コリン・ハンクス(トム・ハンクスの息子)、レイ・スティーヴンソン、ジョニー・リー・ミラーたちが、それぞれ魅力的な連続殺人鬼を演じている。

現在(2014/08/10)、ファイナルシーズンであるSeason8のレンタルが始まったばかりだ。最後まで観ることができる。

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