2014/08/11

観るべき海外ドラマ 「サン・オブ・アナーキー/Sons of Anarchy」


【物語】
 アメリカの田舎町チャーミング。この町はモーターサイクルギャング・サン・オブ・アナーキーが支配している。彼らはアメリカの各地や海外にまで支部を持つ巨大な組織だ。地元の警察と癒着し、地元民から愛されながら恐れられている。シノギの方法は、修理工場の経営に武器の密売などだ。


 サン・オブ・アナーキーの初代のリーダーはジョン・テラー、創立後まもなく事故死した。現在のリーダーは創立メンバーでジョンの親友で兄弟同然だったクレイ。クレイはジョンの元妻のジェマと結婚して、ジョンの息子のジャックスとも親子同然の関係だ。
 ジャックスはジョンの血を継いで、聡明で人望もあり、実力もあるので次期リーダーはほぼ決まっている。クレイがバイクに乗れなくなれば、彼がその地位に選ばれるのはほぼ間違いない。
 ジャックスはサン・オブ・アナーキーの方針―クレイのやり方―に疑問を抱いている。だが表面的にはクレイに従うサブリーダーとしてクラブのため、非合法活動に手を染めている。
 だがある日、父ジョンが書いた文書が見つかる。それは非合法活動に身を染めていくクラブの行く末を案じるジョンの苦悩のそのものだった。
 ジョンの亡霊のような文書に悩みながら、対立するクラブとの抗争や、警察との駆け引き、町を狙う非合法組織との戦いに身を投じていく。

 主演はパシフィック・リムで主演をはったチャーリー・ハナム。また同じくパシフィック・リムで怪獣の密売人役をやっていたロン・パールマンもメインキャストで出演している。
 あらすじを読んでもらえればピンとくる人もいると思うが、この物語のモチーフはシェイクスピアのハムレットだ。
 現代のアメリカの田舎町を牛耳るモーターサイクル・ギャングを舞台にハムレットをやろうってのがこのドラマだWow!モチーフだけで展開はオリジナルだが、このモチーフが基本にあるため主人公ジャックスの組織内の立ち位置が不安定で、視聴者を惹きつける。
 このドラマの最大の魅力は、チャーリー・ハナム演じるジャックスという主人公にある。この若い犯罪組織の次期後継者は、純粋で仲間や愛する者のためには血を流すことも、良心に反し罪を犯すこともいとわない。だが、この良心を持つ若者は悩む。(ジャックスのキャラクター造形はほぼハムレット)
 聡明であるがゆえに汚い事も思いつき、実行する力もある。だが、この良心を持つ若者は悩む。
 ジャックスという純粋な若者が、その生まれ故に悪に落ちていく物語であり、逆に言えば犯罪者として成長していく成長物語である。それが日本じゃあまり馴染みのないモーターサイクル・ギャングという犯罪組織同士の抗争を中心に、組織内部の軋轢や、警察組織との駆け引き、メンバー同士の友情と裏切りが絡めて描かれていく。それはもう最高にスリリングに。とにかく文句なしに面白い。
 アメリカではかなり人気があり、色々と豪華な有名人がゲスト出演している。例えばホラーの帝王スティーヴン・キング、シーズンファイナルではマリリン・マンソンが出演する。
 2008年から制作され、2014年にシーズンファイナルとなるSeason7がアメリカで放送される予定だ。
 日本ではDVD化されていない。現在(2014/08/11)のところHuluでSeason1~3まで観ることができる。8月の後半にSeason4も配信予定のアナウンスありだ。日本で全部観られる保証はない。だが、観る価値はある。