2014/06/04

スクリーム4



1997年スクリームを観た19歳の私は衝撃を受けた。こんなにもホラー映画が面白かったのかと。そして2が公開された時は上映イベントが開催され、私と同じような多くの若者があの仮面をかぶり集まっていた。
今の若者がスクリームを観ると面白くもなんともないだろう。だが今のホラー映画はすべてスクリームから始まっているのだ、紀元前というような意味でスクリーム前という言葉を作ってもいいかもしれない。
1996年スクリームがアメリカで公開された時、ホラー映画は死んだほぼジャンルだった。低予算で今のようにスターが出演することもなく、ホラー映画マニアだけが観るジャンルで、ほぼ死んでいたジャンルだった。
だがスクリームは違った。出演者のほとんどブレイク寸前の有望な若手スターで、BGMには当時のヒット曲がふんだんに使われ、泥臭いイメージを払拭した。
そしてもっとも大きな点は、ホラー映画のルールを若者に教えホラー映画の楽しみ方を教えた。
その後スクリームっぽい映画が大量に生産された。スクリームっぽい映画はすぐに飽きられたが、とにかくホラー映画は生き返った。
そしてスクリーム3から11年経ってスクリーム4が作られた。
この11年でホラー映画は大きく変わった、簡単にいえばドンドン怖くなった。今の感覚で言うとただマスクをかぶっただけの人間がナイフで人を刺し殺しても、恐怖もインパクトもない。
劇中で登場人物がそのことに触れ、もうただナイフを振る舞わすだけじゃ怖くないと言うが、別の登場人物がこう返す、普通の人がいきなりナイフで襲ってくる方が生々しくて怖い、と。
まぁ確かにそうだが、こっちは映画を観てるだけなので、やっぱりもう怖くない。
ホラー映画を復活させたホラー映画スクリーム、そこから再び始まった潮流によって、スクリーム程度の怖さでは現在ではホラーに分類できないことなってしまった。

スクリーム4は三部作からつらなる続編映画としては、とても面白い出来だ。ネットとかオリジナルになりたい若者とか、現在的なことも反映されており、今現在この映画が作られる意味はそれなりにあったと思う。
だがあのスクリームの衝撃を受けた世代としては、現在アイディアが出尽くして倦んでいるホラー映画を再びブチのめすくらいの革命的なホラー映画を作って欲しかった。



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