2017/07/23

セル / Cell


【物語】※ネタバレあり


 クレイ(ジョン・キューザック)はグラフィック・ノベル作家(漫画家)だ。妻と8歳の一人息子とは離れて暮らしている。クレイが空港にいる時に”それ”は起こった。携帯電話から一斉に妙な音が流れそれを聞いた人間は狂った。狂った人々は正常な人間を襲い始めた。一瞬で世界は崩壊した。
 クレイはトム(サミュエル・L・ジャクソン)とアリスと生き残るために旅に出る。最初の目的地は妻子のいる街だ。
 クレイたちは色々な人々と出会いながら旅をし、狂った人々の生態も次第に明らかになる。群れを作り、夜は眠り続け、どこからか電波を送受信し、群れで視覚を共有している、携帯の電波がないところにはいないなどだ。
 クレイたち旅の途中で数百体の狂人たちをガソリンで焼き払ったりしたが、旅は過酷さをます。狂人たちがアップグレードされていくからだ。夜も行動するようになり、口から人を狂人に変える音をだすようになった。
 クレイたちは、家にたどり着く、そこで妻は死んだが息子は”カシュワッカ”に向かった事をしる。そこは先住民族の居留地でアンテナが無いから安全と噂されている場所だが、クレイたちは情報を得ていた、そこが狂人たちが生き残りの人間をおびき寄せる為に作った罠だだということを。
 クレイは旅の途中で爆弾満載の車をある男から託されていた、クレイは仲間と別れ一人カシュワッカに向かう。
 そこでクレイが見たのは、数え切れないくらいの狂人たち、そして狂人とかした息子。クレイは爆弾のスイッチを押そうとするが、その前に息子に狂人に変えられてしまう。
 クレイは都合の良い夢―爆弾で狂人共を吹き飛ばし息子と共に仲間の後を追う―を見ながら狂人の群れに加わりあるき続ける。アンテナの回りを。
【点数】75点(100点満点)

【感想】※ネタバレあり
 元はスティーヴン・キングが書いた小説だ。そしてキングが本作の脚本も書いてる。キングは映画好きだからな。
 原作の小説とはラストが全然違う。小説版のラストはこうだ。クレイは首尾よく敵のアンテナを吹き飛ばす、すると狂人たちは人を襲うのを止める。しかし魂の抜け殻みたいになっちまう。クレイは息子をつれて家に帰るが息子は抜け殻だ。そこでクレイは一計を案じる。もう一度携帯電話の音をきかせたらもとに戻るかもしれない。クレイは携帯電話を息子の耳に近づける。……そこで物語は終わる。
 今回はバッドエンディングというわけだ。小説版もさほどハッピーなエンディングではないが。……
 色々と趣向を凝らしたゾンビモノが毎日のように作られているが、さすがキング新鮮だ。
 人々はある種のゾンビに変わるのだが、”何か”に明確な意図をもっと操られている。その意図が人間を滅ぼすためと言う事はわかるが、”なぜ”と”何か”は全くわからない。そして主人公たちは同じ不吉な夢を繰り返し見たり、不穏さと絶望だけが静かに積み重なって物語が進んでいく。そこが良いと感じるかどうかでこの映画の評価が決まるだろう。