2014/10/08

ロボコップ/RoboCop



【物語】※ネタバレあり

 2028年アメリカは相変わらず中東で泥沼にハマっていた。しかし国内から兵士の血を流すなと避難の声は上がらない。治安維持にロボットを導入したのだ。流される血は貧しいテロリストの、だけだ。
 ロボットの製造会社のオムニコープ社は、中東での実績をもとにアメリカの警察にロボットの導入を望んでいた。が、人間的判断ができない機械が警察の職務を果たすことができないと定めたドレイファス法がそれを阻んでいた。
 オムニコープ社のCEO・レイモンドセラーズ(マイケル・キートン)は、ロボット導入に世論を誘導するため、まずサイボーグ化した”製品”を作ることにした。サイボーグならロボットじゃない。
 マーフィー(ヨエル・キナマン)は良い刑事だった。武器の密売をしてる大物のバロンを追っていたが、バロンに爆弾でふっとばされた。 セラーズはデネット・ノートン博士(ゲイリー・オールドマン)にマーフィーを改造させた。
 マーフィーはサイボーグになった。だが、感情が高ぶると上手く身体が作動しない。博士はマーフィーの感情を消した。マーフィーはロボコップになった。ロボコップは圧倒的な能力で犯罪者と戦った。ロボコップはすぐにヒーローになった。ドレイファス法反対に世論は傾き始めていた。
 マーフィーの妻がロボコップに息子が父親を求めていると訴えた。ロボコップは妻を退け捜査に向かった。が、思い出した、自分には妻と息子がいることを。自分を取り戻し始めたマーフィーは自分を殺した男の捜査を独自に始めた。マーフィーは悪党を締めあげバロンの居場所を聞き出すとアジトを強襲、悪党を皆殺しにした。そして銃についた指紋から、証拠の銃を横流しにしていた悪徳刑事を逮捕、射殺する。そして汚職警官の黒幕の本部長を追い詰めた所でシャットアウト。マーフィーの暴走は終わらされた。
 この逮捕劇でロボコップの英雄としての地位は揺るぎないものとなった。そして世論はドレイファス法撤廃に傾き、そして議会は撤廃を決めた。ロボコップの役割は終わった。英雄と鯨は死んでからの方が使い道がある。セラーズはロボコップを破棄することにした。マーフィーはスイッチ来られたままだ。
 ノートン博士はマーフィーを起動させ、通信装置を外した。もう誰もマーフィーを50口径の弾丸以外でシャットダウンすることは出来ない。マーフィーは警察官への殺人示唆未遂の容疑でセラーズを逮捕するためにオムニコープ社に向かった。オムニコープ社ではロボットたちが待ち受けていた。
 マーフィーは満身創痍になりながらもオムニコープ社の屋上でついにセラーズを追い詰めた。だが引き金を引けさえすれば問題ない。
 だが、引き金が引けない。特殊なチップが仕込まれたバンドを付けた人間を攻撃できないようにプログラミングされいるのだ。セラーズは笑った。マーフィーの妻子に銃を向けた。マーフィーはセラーズを撃った。やはり彼はマーフィーだった。

【点数】75点(百点満点)

【感想】※ネタバレあり
 面白い。ひたすら暗く爽快感にかけるが面白い。
 オリジナルとの違いは爽快感のなさだろう。オリジナルは一番最初ロボコップが出動し悪党どもをメッタクソにぶっ殺すシーンには爽快感があった。
 だが本作には最初から爽快感がない。まず最初、ロボコップの性能テストシーン、次々とロボット兵士達を撃破していくロボコップ。本来は人であるがゆえに、判断能力のスピードで絶対にロボット兵士に勝てないのだが、戦闘モードにはいると自動運転になる事でこの問題を解決した。さらにマーフィーにはそれが自分の意志だと錯覚させるチップを埋め込んだ。
 ロボット兵士を次々と撃破して得意になるマーフィーだが、その姿は哀れな道化だ。強ければ強いほど哀れさは増す。
 実戦配備前にシステムを安定させるために、普段の感情も奪われ、まさにロボコップにされる。
 最後、自分を取り戻し戦う時も、あまり爽快感がない。戦力差がありすぎて悲壮感のほうが強い。
 全体的に暗い。が、考えてみれば、この物語に明るい要素なんてもともとコレッポチもない。
 ロボコップというタイトルだが、人間を改造しているので正確に言えばサイボーグコップなんだろうが、ロボコップだ。これは脳みそも弄られ、感情も記憶も奪われまさにロボットにされたからこのタイトルになったんだろう。本作ではロボコップと同タイプのロボット兵士が出てくるので、感情がなければこいつらと同じじゃないかという感じがするので、この点が強調されている。
 だがこの悲壮感がラスト、彼の手をにぎる家族のシーンに一気に収斂されて、泣ける。

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