2015/06/05

ドラキュラZERO/Dracula Untold


【物語】※ネタバレあり
ヴラドはペンシルバニアの領主だ。若い時にはオスマン・トルコ帝国に人質に出されそこでイエニチェリ兵として、よく働いた。串刺公とあだ名され多くの敵から恐れられた。ペンシルバニアに戻ってからは良き領主として住民に慕われていた。
ある日、オスマン・トルコ帝国はまたやってきた。そして子供1000人を昔のように差し出せと要求してきた。逆らえばオスマン・トルコ帝国に滅ぼされるだけ、ヴラドは従おうとした。だが妻子への愛と敵からの侮辱が、屈することを拒ませた。ヴラドは敵の将を斬って捨てた。開戦だ。
勝機はあった。数日前に知った山の洞窟に住む魔物・吸血鬼の力を得ることだ。ヴラドは吸血鬼から血を血を飲まされ、吸血鬼となる。だが三日間人の血を飲まなければ人に戻る。三日のうちに片付ければ良いのだ。
ヴラドが城に戻ると既に先遣部隊の攻撃が始まっていた。ヴラドはたった一人で先遣部隊、数千人だがを壊滅させる。そしてヴラドは領民と部下を山の修道院に避難させる。
山の麓でヴラドはオスマン・トルコ帝国の主力をメッタメタ叩き潰す、だが二人の兵士が修道院に潜入し、奥方を殺し、子供を誘拐する。奥方の悲鳴を聞きつけ戻るヴラドだが、奥方は死ぬ。奥方の血を飲みヴラドは吸血鬼となって子供を助ける決心をする。
修道院にも敵が押し寄せ、皆殺しにされる。怒り狂ったヴラドは瀕死の者たちを吸血鬼化させ、逆襲に出る。吸血鬼たちは軍隊を皆殺しにし、ヴラドは敵の皇帝を(多少手間取ったが)殺し、子供を救出する。
だが周りを見渡すと血に飢えた吸血鬼だらけ(当たり前だが)、ヴラドは子供を修道士に託し、太陽を遮っていた雲を払い、自らと吸血鬼軍団を殲滅する。
だがヴラドだけは死にきっていなかった、洞窟の吸血鬼の部下が瀕死のヴラドに血を与えよみがえらせる。ヴラドはそして現代になってもさまよい続ける。
【点数】25点(百点満点)

【感想】※ネタバレあり
90分の映画だが2時間半くらいに感じた。それくらいどうでもいい映画だった。
ハリウッドの粗悪な大量生産品の一つだ。吸血鬼モノが流行って、ネタが尽きたところに原点回帰的なストーリーに油の乗ってるイケメンを放り込んでいっちょあがり。
最後には洞窟の吸血鬼のが出てきてゲームの始まりだとか何とか言って終わる。ヒットした場合続編を作れるようにしただけだろうが、この程度ならきっとムリだろうと思うが、ビデオスルーでならシリーズ化しそうなきもする。
とにかくなんの特徴もなく、目新しさもなく、つまらない。特にラストのあたりでは時間の流れがすごく適当で、脚本が雑だ。
中途半端なんだ。ヴラドが吸血鬼になるにしても、子供を助けるためで嫁さんに懇願されてだ。
観客は観たくないものを観たいと思っている。「チキショウ!だから言ったじゃないか!そいつの言うことを聞いちゃダメだって!」と心のなかで叫ぶような展開を、拒絶しながらも求めているのだ。
この映画でそれは、高潔な男が見え見えの策略に(とくに観客にとって)ハマり、悪の道に落ちて何もかも失うことだろう。
だとすれば、洞窟の吸血鬼がもっと裏で策謀を巡らせるような展開にし、高潔な男が堕ちていくさまを、シェイクスピア劇のように華麗にやるべきだった。例えばオセロのように。

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