2015/08/07

マッドマックス 怒りのデスロード / Mad Max: Fury Road




【物語】※ネタバレあり


世界は核戦争でぶっ壊れた。砂漠化した世界で価値が有るのは、ガソリンと水と力だけ。
イモータン―不死―ジョーと呼ばれる男は、汚染されていない地下水が出る砦を支配していた。イモータンジョーに従うのは彼を神と崇めるウォーボーイズと呼ばれる軍団達。そしてその軍団を率いるのはフェリオサだ。彼女はインペラトル―凱旋将軍―の称号を持つ隻腕のロードウォーリア。幼いころは"緑の地"で暮らしていたがさらわれ砦に連れて来られた。
そしてある日フェリオサはイモータンジョーの五人の妻―子産み女たちをウォータンクに連せ、緑の地を目指し逃げ出した。
ジョーは激怒しウォーボーイズを率いて追跡を開始した。彼女たちは完全な健康体で、そのうちの何人かはジョーの子供を宿していた。健康な世継ぎは彼の最大の望みだ。
フェリオサは無力な女達をつれて、孤軍奮闘しながら逃走する。だがその前に巨大な砂嵐が現れる。嵐は全てを飲み込み、過ぎ去った。軍団はウォータンクをいっとき見失ったようだ。
フェリオサは砂嵐でたっぷりと砂をかぶったウォータンクの手入れをしていた。そこに一人の男が現れた。ウォーボーイズに捕らわれていたらしい。男はかなり腕が立ちフェリオサをぶちのめしウォータンクを奪った。しかしウォータンクには防犯装置がついている。決まった手順なければ動かないのだ。フェリオサは男に提案を持ちかける。ウォータンクを運転するから自分たちを乗せろと。
男は拒否したが、イモータンジョーの軍団が迫ってくるのを見て、彼女たちと逃げることに同意する。
男は最初、彼女たちに銃を突きつけ(フェリオサも隠していたナイフで男を刺す機会を狙っていたが。)、名前すら名乗らなかったが、イモータンジョーの軍団の追跡を受けては、協力して戦う以外にはない。
砂漠、谷、荒野、湿地帯をジョーの軍団と闘いながら、緑の地を目指して疾走するウォータンク。戦いの中、彼女たちと男の信頼も生まれていく。 途中、子産み女の一人が死ぬが、それも絆を深める糧となった。仲間を失うだけでなく加わった仲間もいた。ウォーボーイズの一人のニュークスだ。ニュークスは追跡をしていた一員だったが、ジョーの目の前で失態をやらかし、ウォータンクの屋根で絶望していたところを、子産み女の一人に慰められ、仲間に加わった。
そして緑の地に辿り着いた。しかしそこは既に水が汚染され緑は失われ、故郷の住人たちも幾人かの老婆を残すのみとなっていた。
絶望するフェリオサ。だが、絶望している暇はない。フェリオサたちはバイクに燃料と食料をつみ逃げれると決める。目的地はないが。男は去っていった。
だがすぐに男は戻ってきて、提案をした。生きる道はたったひとつだと。きた道を戻り、ジョーの砦を強襲する。あそこには水も緑もある。あそこが緑の地なのだ。
彼女たちと男はウォータンクに再び乗り込み道を戻る。ジョーはすぐに彼らの企図を察知し、ウォータンクに襲いかかる。
激闘。仲間たちは次々と死んでいき、フェリオサも腹を刺され重傷を負う。しかしフェリオサはジョーの車に乗り移り、ジョーを殺すことに成功する。
そして狭い谷に来た時に、ニュークスがウォータンクを横転自爆させ残ったジョーの主力を壊滅させる。
フェリオサは失血死寸前だった。男は自分の血をフェリオサに輸血し必死に治療する。そしてフェリオサに俺の名はマックス、それが俺の名だと語りかける。
フェリオサはかろうじて回復し、ジョーの砦に凱旋する。ジョーの死体を見た民衆たちはフェリオサの名を叫び、歓喜する。残った部下たちも新たな指導者が誕生したことを認め、砦は開放された。
フェリオサはマックスがいつの間にか、群衆に紛れて去っていくのを見送る。
【点数】100点(100点満点)

【感想】※ネタバレあり
面白い。それしか言いようのないくらい面白い。
まずスピード感がすごい、オープニングでマックスがモノローグで自己紹介して世界のことを説明して、ウォーボーイズたちに捕まり物語が始まるまで、数分もかかってない。(普通の映画なら20分位かけそうだ。)そして、くだらない説明など全くなく、澱みなく最高のテンポで120分一気に物語はグングンと突き進む!70歳の爺さんが監督したとは全く思えない。ジョージ・ミラーは間違いなく天才だ。ここまでテンポの良い映画は初めて観た。
そして作りこまれた世界。小道具は細部まで作こまれている。例えばこの世界の車はアクセルを一気に踏み込むと固定されるという仕組みになっている。説明はしないがチャント絵で見せてくれる。たしかにこの世界の戦いは車から車に乗り移ってとか、箱乗りして銃撃するとかなので確かに必要な設定だろう。小道具や車の作り込みの凄さは上げればきりがない。
そして何よりも重厚で、意義のある神話のような物語。現代の神話と言ってもいいだろうと思うくらい重厚だ。
きっとこの映画は、七人の侍クラスのレベルで映画史に残ると思う。言い過ぎだろうと思う人も入りだろうが、七人の侍だって公開当初は名作ではなく、ただのスゲーおもしれー映画だったはずだ。
最後にこの映画を観て思い出したのが、永井豪のバイオレンスジャックだ。
バイオレンスジャックは大地震で関東地方が日本列島から孤立し、無法地帯になってしまう。その無法地帯で生きる人々をバイオレンスジャックと呼ばれる謎の男が助けるというような物語だ。
もちろん無法地帯とかした世界が共通してるのは当たり前だが、私が共通してるとおもったのは、主人公の立ち位置だ。マックスとジャックの。
バイオレンスジャックは主人公だが、各話ごとに主人公がおり、その主人公をバイオレンスジャックが(基本的には)助けるという話だ。然出会い、結果助けることになる。
永井豪とジョージ・ミラー。二人の天才が無法地帯を舞台にした作品で似たような主人公を偶然描くというのは面白い。

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